働きマン/安野モヨコ

働きマン 3 (3) 働きマン 3 (3)
安野 モヨコ (2006/10/06)
講談社

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アニメにもなったので、読んだ人も多いだろう。
 私もHDDレコーダー用意して、毎回見たよ。
 ある回を見るためだったのだが、そこまで行く前に終わってしまった。
 頼むから続きやってくれ!!

 安野モヨコの考える仕事像というのは、ちょっと演出過剰である。それにやっぱり上っ面っぽいところも多い。まあ、仕事内容や悩みは身につまされる面もあるが(orz)、とはいえ、現実ではない。
 そう思いつつ読んでいたのだが、ある回を読んでぶっ飛んだ。

 ナニコレ、あいつのことじゃねーの!

 なかには、仕事のできない、やらない、スタンスの違う男が出てくるのだが、あまりに理屈が知ってるやつに似ていて、本気で漫画にムカついたのは、小学校以来というほどに腹立った。
 いるんだよ、ほんとにいるんだよ、ああいうやつ。
「手伝う」じゃねえ! お前の仕事だ、ふざけんな! っていうのが。

 なんかね、自由業してると、ものすごくレアな生物を見ることが多いんだよ。

「お前は自由を求めてるんじゃない! 会社がお前を規格外だと見なしたんだ!」
「規格外っていうのは、器がでかいんじゃない! 劣化品なんじゃボケエェ!」


 そう言われて「ドキッ」とする人は、間違いなく関係ないから安心して欲しい。あいつら、「オレたちクオリティタカス」と信じて疑わないから。いや、VIP風ならまだマシだ。

 そんなわけで、主人公が他人とは思えなくなり、今にいたる。

B/W(ブラックアンドホワイト)/池田さとみ

B/W(ブラックアンドホワイト)―雑誌記者・渡瀬法子の事件簿 (2) B/W(ブラックアンドホワイト)―雑誌記者・渡瀬法子の事件簿 (2)
池田 さとみ (2004/11)
朝日ソノラマ

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 駆け出しの雑誌記者が、さまざまな事件を通じて成長していく様を描く社会派コミック。
 池田さとみの作品には、非常にシビアな観察眼を感じさせるものがあって、読んでいると堪らない気持ちにさせられる。個人の力ではどうにもできない現実を、リアルに描いて圧倒されるのだ。
 なかでも、最近の癒し系作風よりも、この「B/W」は秀逸だ。基本読み切りだが、二種類紹介したい。

 サブタイトルを忘れてしまったが、1つはある長距離ランナーの話。足を怪我してリタイア、アルコール漬けになってしまった長距離ランナーを取材した主人公は、彼にある老齢の女性ランナーを紹介する。
 彼女もかつてランナーだった。戦争中、婚約者と別れてまで望んだオリンピック選手だったのだ。しかし、日本はオリンピック不参加を決め、婚約者は異国の地で戦死する……。
 決して人生に愚痴を言わない彼女のたった1つの言葉とは……。
 と、今思い出しても泣けてくるほど、せつない。

 もう1つは一連のオカルト風の回である。
 マジで怖い。シャレにならないくらい怖い。矢部彦麿でも調伏は無理かも…… いや矢部彦麿ならできるかも……。
 その根底にあるのは、人間の悪意、だ。そして人間も自然の一部などのだと感じさせる原初に持っていたシャーマニックな能力。その2つをうまく組み合わせ、非常に怖いオカルトものになっている。
 眠れなくなるから是非!

BOOM TOWN/内田美奈子

BOOM TOWN ブームタウン [少女向け:コミックセット] BOOM TOWN ブームタウン [少女向け:コミックセット]
内田美奈子 ()
竹書房

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 竹書房の雑誌休刊によって連載が停止してしまった作品で、非常にもったいない。4巻まで出ている。
 BOOM TOWNという仮想空間で活躍するデバッガと呼ばれるプログラマーたちが主人公だ。余談だが、私はこの作品の連載中にプログラマーになったので、印象が強いということもある。

 内田美奈子という人は、考証をどれだけやっているのかわからないが、とてもSFセンスのいい人である。当時というのは、インターネットはせいぜい大学の研究室くらいで、Windowsは3.1が出てたっけか? ってくらいの時代。皆さん、草の根ネットでネットワークを作ってた。
 その時代に、これだけ今読んでも遜色のないものを描けるというのは、才能としかいいようがない。まったく劣化していないのだ。
 むしろ、時代が追いついてきている。>> NEWS
 どこまで近づいてくるか、見ていて面白い。

 ストーリーは、破壊的性格の主人公朱留と、朱留に気がある変わり者のオズを中心に、ウィザードくんと自称するハッカーたちとの攻防、サービスを利用するユーザーたちが起こすトラブル対処などの事件が繰り広げられる。
 これ、深夜の時間帯でアニメやってくれないかな…… ただ、シュールな作風を持つ内田美奈子には、萌キャラがいないのである。いるのは、本気でムカつくドジっ子なので、朱留的長女性格の私は苛々としてしまうだけだったりする。

 そういえば、本編に出てくるウエィン・ショートそっくりの同僚がいてかなり悩まされた。私がオズでも、あれくらいのやり返しはしてやりたい。

クロサギ/夏原 武、黒丸

クロサギ 1―戦慄の詐欺サスペンス (1) クロサギ 1―戦慄の詐欺サスペンス (1)
黒丸、夏原 武 他 (2004/04/05)
小学館

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 予想できてたことだが、TVドラマよりも何倍も面白い。

 素人をカモにする詐欺師を嵌める玄人を対象にした詐欺師、クロサギ。彼は自分の家族を、詐欺師によって嵌められ、失っていた。

 これが復讐劇かというと、そうではなくて、非常に現在の社会をよく表現している。
「同じ目に遭っても、みなが黒崎のような選択をするわけではない」
 残酷だが事実である。
 詐欺についても同様で、すべての人が同じ詐欺に引っかかるわけではない。人がよかったり、安易だったり、無知だったりするところへつけ込む。それは生きていく上での弱さだ。
 しかし、同時に「人間は、本当にそんな風にして生きていけるのか」というアンチテーゼも存在する。つまり、優しさも幸せも、良心もなくして、それで人間として生きていけるのか、と。それがヒロインの存在である。

 この2つは、人間社会のどうしようもない事実だろう。不完全で未熟な人間は、両方をバランスよく手に入れることなんてできなくて、どちらかに偏り、揺れながら、そのときそのときを生きている。

 まさに、今、この日本を感じられる作品だ。

 登場するキャラクターも、豊かである。黒崎と同じく被害者だったことから、詐欺という武器で目的を果たすことを目指す男など…… きれい事では現実は動かない。でも、一片の良心を信じて、人は街角で募金をするのである。

 若い人には、ぜひ読んで、事実を見詰める目を育ててほしい。

大奥/よしながふみ

大奥 第1巻 (1) 大奥 第1巻 (1)
よしなが ふみ (2005/09/29)
白泉社

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 男と女が逆転した江戸時代。奇病によって男性の数は減り、女性が社会の実権を握っている。この手の話としては、「フェミニズムの帝国 / 村田 基」があるが、正直いって、「大奥」の方が格段上である。

 もともと、よしながふみの作品は「観察眼の鋭さ」「女性特有のえぐみ」があった。それをうまく組み合わせて、作品に絡んだ形である。そのうえで、恋愛という少女漫画に必要な要素もある。

 私は今の少女漫画の大半は、あんまり好きではないのだが(否定派ではなく、単にパワー不足だと思うからだ)、いわゆる24年組、35年組などに代表されるような、少女漫画を背負おうような存在の漫画家として、よしながふみは間違いなく、そのうちの1人である。

 くそっ、46年組かよ(笑)。同世代だ。自分がなりたかったな。絵が致命的に下手なんで、夢想で終わったが。

 設定を逆転させることは、さほど難しくないだろう。問題は、「そこでなにを描きたいか」である。すべての作品を読んだわけではないが、よしながふみの作品を読んでいると「個人として生きること」に向き合っているように感じる。
 ただ、生きるのではなく、「いかように」個人として生きるか、だ。それは世界のためとか、理想のためなんて上っ面の話ではなく、男であり、女であり、個人である自分をしっかりと受け止めながら生きること、そのことへの真摯な姿勢のように感じるのだ。

 最後まで見ないとわからないとは思うが、このまま進めば、「漫画好きなら読んでおくべき」本に入ると確信している。

はるか17/山崎さやか

はるか17 (Volume13) はるか17 (Volume13)
山崎 さやか (2006/10/23)
講談社

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 就職活動をしていた、はるかはひょんなことから年齢を偽って17歳のアイドルとして売り出すことになってしまう…… そう言うと、年齢詐称以外はよくある少女漫画のようにも思える。
 この作品が面白いのは、少女漫画のセオリーでヒロインの周囲を盛り上げつつ、客観的で社会的な視点を失わないところだ。これは新しい。

 もともと山崎さやかという漫画家は、非常に観察力のある人で、「ななコング」のころからよく読んでいた。一番好きなのは「ラブゾンビ」である。
 女性の観察眼をなめちゃいけない。相手の心の奥まで見透かすような、そういう鋭い女性に会ったことはないだろうか? この作者が描くのは、そういった女性ならではの裏まで読んだような観察眼から出てくる人間ドラマである。
 なので、話が非常に面白い。スタートは漫画だったとしても、そのうちに大河ドラマのような広い視点での物語進行になっている。

 これぞストーリーテリング、だと思う。

 非常にオススメできる漫画だ。

赤々丸/内田美奈子

赤々丸 (1) 赤々丸 (1)
内田 美奈子 (2005/10)
ブッキング

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 タイムスリップで、未来に行ってしまった主人公は「赤々丸」「白々丸」の2人に別れてしまう。もとの人格は「白々丸」の方に近い。しかも、未来社会はネコが人間化した種族が入り交じっていた。過去に帰りたい白々丸と違い、赤々丸は自由に行動を始めてしまう。

 というとSFっぽいが、そうではない。非常に、シュールな作品である。人間風刺でもあるし、哲学的ともいえる。好きなように見ればいいと思う。
 内田美奈子という人は、非常に頭のよい人だと思う。この人の作品には、大体哲学めいたものがあって、それを表す表現がSFだったり、めねたくんだったりするわけだ。この辺の不条理感を無条件に受け入れられないと難しいかも。

 ただ、この作品に限っていえば、絵描きなど絵を志す人、アート系の人にはぜひ読んで欲しいと思う。自分は絵は描けないので、この作品を言葉で表現するしかないが、こうした概念や思想、イメージを物語化したものは、発想力豊かな人にとっては、とてつもない栄養剤になると思う。

 そういや、昔は白々丸が他人に思えなかったな。

大人の問題/今市子

大人の問題 大人の問題
今 市子 (1997/08)
芳文社

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 BLとして出されているが、BLに興味ない人でもまったく問題のないファミリーコメディ。
 正直、遠藤淑子よりもオモロイと思ったファミリーコメディは、これくらいである。

 父親が同性愛者であるとカミングアウトして離婚したという過去を持つ主人公。その父親が「結婚したい(=ゲイ婚の場合、養子縁組)」と言ってきたから、さあ大変! というお話だ。
 主人公は、同性愛者ではない(強くて可愛くて、自分大好きなあの母親の元では、そっち系に行きそうもないが)ので、自分にとっては「義母が男で、しかも兄弟」という変なことになってしまうという、なんか書いてたら不幸な気がしてきた。

 さらに、彼の母親が、父親の婚約者である男の兄と恋仲になってしまうので、さらに話は複雑に。離婚・再婚は大人の事情とはいえ、こんな事情がある人は、ま、いないだろね。

 単に極端な設定を使うというだけでなく、それぞれの性格や人生観の違いを踏まえながら、家族を考え直す面がある。
 最終的には、大事な人が幸せでいてくれればいいのだ、という家族観は、「百鬼夜行抄」にも通じるものがある。

 非常にオススメの1冊である。

百鬼夜行抄/今市子

百鬼夜行抄 (3) 百鬼夜行抄 (3)
今 市子 (1997/05)
朝日ソノラマ

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 ストリーテラー今市子の魅力が、存分に味わえるシリーズである。一話完結型なので、どの本からでも読める。

 霊能力はあるが、慎重派でやっかいごとには関わりたくない律と、彼につけられた妖怪の青嵐を中心に、自覚のない迷惑霊感娘で従姉妹の司、現代の巫女男運の悪い従姉妹晶などが登場する。
 迷惑をかける・かけられるというパターンの話としては、現在連載しているもののなかでは随一に面白いと思う。ぶっちゃけ、わかりにくいが、これは姉萌え属性の話である。弟として生まれた人は、律の苦労に涙するであろう。

 妖怪が出てくるし、人は死ぬしで、結構陰惨な面もあるのだが、メインキャラクターたちが脳天気で楽観的なので救われる。特に、天然万年少女の律母、霊感まるでなしの律祖母。
 彼女たち2人は、まさに必殺仕事人における「せん&りつ」のごとき癒し系キャラだ。

 泣ける話も多いので、オカルトだが、読み応えはある。

 ちなみに実写化したテレビドラマは、私の中では抹殺している。

theme : 感想
genre : アニメ・コミック

死神の惑星/明智抄

死神の惑星(1) 死神の惑星(1)
明智 抄 (2006/05/23)
朝日ソノラマ

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 サンプル・キティなどを含む一連のシリーズの1つ。
 前作品を知らなくても、これはこれだけで完結している。

 明智抄は独特の世界観がある人で、ある意味その宇宙は子宮的だ。直感と、既視感が、宇宙の一部に織り込まれているような、そんな感覚がある。
 それがギャグ作品の方向に行くと、シュールになって面白い。

 ただ、絵が荒っぽい(ざらざらした砂漠の印象がある)のと、説明をあまりしないので、損をしている感じがある。キャラ萌えなどは、探しようのない作風であり、最大の萌えキャラが賢いダチョウの小鳥さんというくらい不毛だ。
 説明をしないのは、作風だと思う。大体、物語は過剰説明によってげんなりすることが多いので、自分としては問題ないが、おかげで難解になることも。

 非常に好きな作品だが、SFマニアでなければ、ちょっとオススメできないのが残念である。

白眼子/山岸凉子

白眼子 白眼子
山岸 凉子 (2000/11)
潮出版社

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 はっきりとは明記していないが、実話がもとらしい。なんとなく「これ実話じゃないだろうか?」と思って、検索してみたところ、結構怖い結果に。
 この話自体は、「人には分にあった相応というものがある」「自分の持ち分を越えて、富や幸せを得ることはできない」という因果を、作者特有の無常観を交えて表している。そのため、霊能力者(正確には違う)の白眼子は、主人公が不幸になっても、アニメばりの活躍で助けたりはしない。それは、世の中の流れを(小さなものではあっても)遮ることになると、知っているからだ。

 話のなかに、ある霊能力を持つ少女が出てくる。その少女を信じた企業は、大きな発展を遂げることが描かれている。白眼子の周囲でも、「ああいう風にうまくやればいいのに」という声があがるが、上記のように自分を知っている彼は、そうはしない。

 話は、それだけなのだが、気になって、この少女と企業について調べてみた。すると、後年少女には大きな不幸が起き、企業は大スキャンダルを生み出していた。
 物語の続きは、現実で起きていたのである。

 努力して幸せを掴むことは、誰でも望むことだ。だが、そのやり方を間違えたり、望みすぎたりしてはいけない。何よりも自分のために。

 禍福はあざなえる縄のごとし、とはよくいったものだと思う。

八卦の空/青木朋

ふしぎ道士伝八卦の空 1 (1) ふしぎ道士伝八卦の空 1 (1)
青木 朋 (2006/04/14)
秋田書店
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 ミステリーボニータ(秋田書店)連載。今、ミスボニで、もっとも好きな漫画。

 シンプルなのに表情豊かなキャラクターも好きだが、なにより作者が中国古代史を好きで描いているというのがよくわかる。その愛情が世界の安定感へとつながり、安心して読める。

 主人公が全然カッコよくないのもいい。それなのに、そのうちに頼もしくなってくる。
 読み切り形式で、1話1話が読み応えあるところを見ても、ストーリーテリングの能力が高い人なのだと思う。

 今市子系が好きな人に、オススメ。

 

D.Gray−man/星野桂

D.Gray-man (3)    ジャンプコミックス D.Gray-man (3) ジャンプコミックス
星野 桂 (2005/03/04)
集英社

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 今もっとも先行きが心配な漫画。

「随分感情描写を丁寧にやる漫画だな」というところから気にかかり、いまやエリアーデとクロウリーの話を見るためだけに、せっせとHDDレコーダーでアニメまで録画するていたらく。
 AKUMAは敵なのだが、生まれた自我は必ずしも自ら生み出した千年伯爵の思い通りになるとは限らない辺りが、神サマの作りしものと似ていて皮肉。

 全体を通して感じるのは、「あなたは誰かにとって大事な人か」「誰かを大事にしているか」というメッセージだ。だからこそ、大事な人を取り戻すために、人はAKUMAを作り出してしまう。
 大事な人を作るということは、失ったときの悲しみも引き受けなければならないということだ。それなのに、悲しみに耐えられるほど人間は強くない。

 もちろん、少年漫画なので、戦いや敵、ライバルがいるのは当然のことなのだが、通して扱っているのは「悲しみ」である。
 悲しみが、次の悲しみを産むことだってある。過ぎた悲しみは、力によってしか無くすことができない。

 それは消滅であって、癒しではない。

 という、ある意味冷徹ともいえる喪失の世界観が、「D.Gray−man」の本質である。ただ、それは非常に危ういバランスの上に成り立っている。
 連続した力は、力そのものとして意味を持つため、戦いによって、この世界観が単なる破壊に変わる可能性があるからだ。

 そのため、作者が心強く初志を貫くことを願ってやまない。

簡単な説明

・カテゴリ
○これだけは読んでおけ100
 → オススメ漫画のリストなんかを見ても、「うわっ!古っ!」って感じの作品しかない。アトムとか、今更読んでられっか! 100年前に通過したよ!(小学校の図書室で)
 という方向けの、現代日本の漫画知識。

○連載中気になる100
 → 着地点がわからないので、名作とは言い切れないが、めっちゃ気になる現在進行形! の漫画。絶賛連載中!(漫画が)

○女性向けエロス
 → 女性向けエロス漫画で、抵抗無く読めそうなものをピックアップ。確認してたり、してなかったり。

○埋もれた佳作
 → 読まなくてもいいけど、読んでおいてもいいんじゃな〜い? っていう位置づけの作品。短めが多くなりそう。

○ツンデレを探せ
 → 女性の心をめろめろにする(かどうかは知らないが)、オススメのツンデレを紹介。

○雑記
 → ニュースとかどうでもいい話題とか。

theme : 萌え
genre : アニメ・コミック

鋼の錬金術師/荒川弘

鋼の錬金術師 (12) 鋼の錬金術師 (12)
荒川 弘 (2005/11/21)
スクウェア・エニックス

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 錬金術としてはどうかなと思うが、少年漫画のフォーマットにはよくぞ入れたものだと思う。人物の性格描写が繊細で、チビだが自尊心が高い主人公には好感が持てる。

 もう1つこの作品のいいところは、大人が大人であることだ。
 子ども、と、大人、の境界をきちんと持っている。これは作者が成熟した視点で物語を見ているからではないか。
 例えば恋愛1つにしても、主人公エドの恋愛と、脇役であるマスタングの恋愛はかなり形も表し方も違う。それでいいのだ。

 この作品、少年漫画としても充分面白いが、「追いかけたい!」と思うほど興味を持ったのは、マスタングの部下であるホークアイが、マスタングが死んだ、と思って、何もかも放棄しようとしたときだ。
 少年漫画では、重要な人物が死んだとき、「彼の分まで闘う」となる。これは男性の理屈である。
 ホークアイは、マスタングを愛しているので、「なにもかも終わった」と思った。これが女性の理屈である。
 そのホークアイに、マスタングは「自分が死んだと思ったとしても、任務を放棄するような弱さは自分の部下には要らない」と言い放つ(意訳だ)。

 これは、ホークアイに男性になれ、と言っているのと同じだ。

 それを同じくホークアイを愛しているマスタングが言うのである。2人の間には契約にも似た境界線があり、その緊迫が物語を深い色合いにする。
 恋愛を、ただ恋愛として描くのではなく、人間ドラマとして描いている。

 だから、ハガレンは面白い。


怨み屋本舗/栗原正尚

怨み屋本舗 17 (17) 怨み屋本舗 17 (17)
栗原 正尚 (2006/11/17)
集英社

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 晴らせぬ恨み、お金で晴らします…… というとってもキャッシュな主旨の漫画。
 とにかく、元になる事件が残酷。耐性のない女性にはオススメできない。なにしろ、『タフ』がOKなMY身内が耐えられなかったシロモノ。
 なお、私は『タフ』はやらないか風味があるのと、両生類系の不気味さがあってダメだ。

 この漫画は、必ず、加害者が”然るべく”報復を受ける。それは金額に見合った報復であって、「被害」に対するものではない。正義の味方じゃない、という徹底したニヒリズムの上に作られている物語だ。
 その前提で、世の中にある悪意を相手にしている。

 初めて見たのは、ラブラブ光線を放つオタクの回。ビックリした。マイノリティというか、オタクのような社会から「うわっ」と言われる人たちを、等身大に描いているのに驚いた。
 しかも、蔑視でも哀れみでも同情でもない。

 聖も魔も一緒くたになって、混じり合いながら1つの社会を形成している。そのことを、汚泥のなかから見詰める作品だと思う。
 残酷描写に耐えられるなら、ぜひ。

スイッチを入れて/空木朔子


スイッチを入れて スイッチを入れて
空木 朔子 (2005/07/28)
秋田書店

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 短編集。
 いろいろなカップルの恋愛模様を描いている。身体の相性など、ボディコミュニケーションに関わる部分も多く、カップルならありそうな等身大の悩みを物語りに取り入れているところが好感
 絵はシンプルで読みやすく、変ないやらしさがないので抵抗が少ない。
 非常にオススメの漫画家。


泣き虫ハニー/空木朔子

泣き虫ハニー 泣き虫ハニー
空木 朔子 (2005/10/18)
笠倉出版社

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 十代向けのエロティックコミックなんだけれども、女の子がかわいい。気持ちの揺れとか戸惑いは、少女漫画らしくて、それでいて内容がえっち、という感じのコミックス。少女漫画っぽい展開とエロスのバランスが、非常にいい。
 絵もさっぱりしていてキレイだし、とても読みやすい


3. カメレオン 松岡英治

<あらすじ>
 いじめられっ子だった矢沢栄作が高校デビューして成り上がっていくヤンキー漫画。週刊マガジンで連載されていた。なお、表紙絵は主人公で、松岡はもっと美形なのでご心配なく。

<松岡英治のツンデレステイタス>
 松岡英治は、主人公と対立している不良の1人。狂犬のような性格で、ほかのキャラと違って、主人公とはあまりなれ合っていない。これが主人公の左腕(勝手にそう認定しているだけ)の相沢の妹ジュンナに惚れてしまい、彼女だけには弱くなってしまう。
 典型的ツンデレパターン。少年漫画によくあるライバル関係ではなく、隙さえあればヤザワを殺してやろうと思っているような松岡。それが、兄である相沢とのデートを邪魔されて頭に来て、公衆の面前でジュンナにぶったたかれてから、すっかりフォーリンラブ。狂犬ツンデレ×強気の女の子という、ツンデレにもっともよくはまるパターン。
 他の人間には話しかけただけで殺すぞオーラを出しているのに、ジュンナだけにはふつうの少年のような態度をするのである。まさに美女と野獣。手なづけ感がたまらないツンデレだ。

<その他属性>
・チビ
・凶暴
・性格が悪い

theme : マンガ
genre : アニメ・コミック

2. 大人の問題 海老一

2. 大人の問題 海老一
花音コミックス 今 市子
※一応BLです。

<あらすじ>
 原嶋直人のうちは母子家庭。しかし、原因は一般的なものではなかった。幼い日の離婚の理由は、父親が同性愛者だったから。現在、父親は美貌の会社員・海老悟郎と同棲中。しかも結婚するという…。

<海老一のツンデレステイタス>
 海老一は海老悟郎の兄。弟の結婚(というか養子縁組)を阻止しようとするうちに、雑草のように逞しいキャリアウーマン原嶋由美子に惹かれるようになり、なんと不倫関係に。
 とあらすじは置いておき。
 エリートサラリーマンで、完璧なものを求める一が、由美子(というか悟郎というか、原嶋家というか)に振り回されていって、それが思わぬ恋になってしまうという辺り、非常に萌度高い。
 一も恋一直線野郎。さっきまで言ってた正論はどうした? というくらい好き好き攻撃。やっぱり人生経験足りないので、コミュニケーションに問題があるが、相手の由美子は「躾直し」を楽しんでいるので無問題。
 がちがちに理論武装したエリートっぷりと、恋の前には無防備になってるギャップがなんとも女性本能を刺激するツンデレである。

<その他属性>
・エリート
・スーツ
・高学歴&高身長

theme : 萌え
genre : アニメ・コミック

1. ホットギミック 橘亮輝

1. ホットギミック 橘亮輝
 小学館刊 相原実貴 全12巻

 この絵はあまり好きじゃないんだけど… メガネ掛けている方がいいな。
 あらすじとかいるかなあ… うーん有名だと思うけど、一応。

<あらすじ>
 高校2年生の初は同じ社宅に住む常務の息子、亮輝に妹へ妊娠検査薬を持っていくところを見つかってしまい、以来奴隷扱い。「初エッチの練習台になれ」と命令されるわ、なにかしら振り回される初だったが、憧れだった幼なじみの梓が社宅に戻ってきて、一気にハッピーに。ところが、梓はある目的があって初に近づいたのだった…。

<亮輝のツンデレステイタス>
 性格が悪くて、情緒が未熟。カシコイはずなのに、人生経験がないので、周囲とはどう考えても異文化コミュニケーション。そこをえらそうな態度だけでクリアしている、ある意味本能のひと。
 横暴で、我が儘だが、性格的には犬。少し人間扱いされたら、すっかり初ラブになっている辺り、かなり忠実。でも、それを絶対に認めない。←重要 あと、初オンリー(これも重要)。
 とにかく、やることなすこと矛盾だらけで「お前全国模1位なんでウソやろ」とツッコミ入れたくなること請け合い。ほとんど幼児。そのバカっぷりが愛おしいツンデレである。

<他属性>
・S
・メガネ
・インテリ
・高身長
・アホ

theme : 萌え
genre : アニメ・コミック

デビューマン!/吉本蜂矢

デビューマン [少年向け:コミックセット] デビューマン [少年向け:コミックセット]
吉本蜂矢 ()
少年画報社

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 吉本蜂矢の最高傑作にして、おそらく唯一の長編(?)。
 とにかくオモロイ。女性で、ここまで「思春期の少年たちが持つやるせない獣のような性衝動」を描くことができる人がほかにいるだろうか、と思う。別にいなくてもいいけど。漫画文化に咲いた徒花としかいいようがない。
 ケダモノのくせに、女体と恋に憧れてもいる辺りの矛盾がカワイイ。しかし、身近にはいてほしくない。子どもがこんなんだったら泣く。

 ギャグは時代を感じさせるものの、この怒濤の勢いは色あせない。人間ってどこまでいってもバカなのよね、と納得できること請け合い。

 未収録の分があるけれど、3巻が出ることはないだろう。2巻が出ただけでも奇跡だ。

 かつて少年ジャンプ誌面で真夏のアイスクリームのように崩れていった木多康昭よりも、原稿が誌面に載らない漫画家だが、ギャグがハイテンションなため、維持が難しいという話もある。真偽不明。
 そういう事情を抜きにしても、面白いことは間違いない。

 なお、(数少ない)コミックスには「うさうさにゃんにゃん」などもあるが、パワーダウンは否めない。

 恐ろしいことに、作者は美人だという噂がある。そっちのが現代の怪談。

LOVE★浪漫/むっちりむうにぃ

絶対×浪漫 絶対×浪漫
むっちりむうにい (2006/05/18)
一迅社

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 昔友人宅で見た同人誌のアンソロで、随分おもしろかった記憶がある人。元ネタがほとんどわからなくても笑えるというのは、結構すごい。この人のためだけにコミケとやらに行こうと考えて、友人にそれは無理だろと、止められた。
 今どんなものを描いているのか、気になってピックアップ。
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プロフィール
  • Author:明
  • 年期の入ったヲタ。漫画中毒。立てばたぬぞう座ればチョコボ、歩く姿はアラレちゃん。
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