リアル/井上雄彦

リアル (5) リアル (5)
井上 雄彦 (2005/11/18)
集英社

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 とにかくメインキャラが汚い顔で驚いた!
 次に、タイトル通り、いろいろなところがリアルで驚いた! これは車椅子バスケについてもそうなんだが、やっぱり事故で同乗の女性を車椅子にしてしまった野宮のキャラがリアル。
 こういっては何だが、車椅子でバスケをする人、ということで、ある種のドラマ性が発揮されてしまう。TVドラマの感動ものだと、それだけで泣けてしまうような効果だ。むろん、その部分も面白い。
 だが、このなんでもないキャラのはずの野宮に注目したい。顔もインパクトあるけど。

 こういうやつっているよな、と思う。誰の周囲にも1人くらいは、いそうだ。真面目に学校に行っていなければ、なお遭遇しそうだ。いいところもあるけれど、全体的にはクズで、ダメで。本人もそれをわかっていて、変わろうと思うが、変わるための方法がわからない。長い助走。しかも、常に走ってるとも限らない助走。
 そんなつまらないはずの人間を、魅力的に描いている。その観察力・表現力こそが、井上雄彦の本領だと思う。奇をてらわないおもしろさだ。

 他人と同じ人なんて1人もいないとキレイごとでいうのは簡単だが、それを実際に示してみせることは難しい。特別な人間なんて、少ないからだ。まあ、だからこそ、特別なんだが。
 若い世代は吸収率が高い。10代にこそ読んで、コマとコマの奥にある世界を読み取ってもらいたい漫画だ。

岸辺の唄シリーズ/今市子

岸辺の唄 岸辺の唄
今 市子 (2002/05/24)
集英社

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 中華風、ときおりオアシスなファンタジー。
 ファンタジーとしては、多分ちゃんと読むとツッコミどころは多いと思われるが、重要な「世界観」がきちんと出ているのがいい。大枠や設定をちゃんと押さえた上で、本質的な人間ドラマのみ読者と共有できるものを持ってきている。
 この辺は今市子の得意とするところで、本当に上手い。

 鬼人という設定も、かなり上手く使っていると思う。なんとなくいそうな感じがする、という妖怪風の曖昧な雰囲気がいいのだ。本格的な妖怪もいるけど(笑)。
 この辺の、「理屈では通用しない、ちょっとアレな人たち」を描かせたら、今市子の右に出る者はいないと思う。現実にいそうなところがポイント。

 メインキャラクターたちのドラマもゆっくりと進行している。次がどうしても気になってしまう。するめのような味わいのあるシリーズだ。

働きマン/安野モヨコ

働きマン 3 (3) 働きマン 3 (3)
安野 モヨコ (2006/10/06)
講談社

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アニメにもなったので、読んだ人も多いだろう。
 私もHDDレコーダー用意して、毎回見たよ。
 ある回を見るためだったのだが、そこまで行く前に終わってしまった。
 頼むから続きやってくれ!!

 安野モヨコの考える仕事像というのは、ちょっと演出過剰である。それにやっぱり上っ面っぽいところも多い。まあ、仕事内容や悩みは身につまされる面もあるが(orz)、とはいえ、現実ではない。
 そう思いつつ読んでいたのだが、ある回を読んでぶっ飛んだ。

 ナニコレ、あいつのことじゃねーの!

 なかには、仕事のできない、やらない、スタンスの違う男が出てくるのだが、あまりに理屈が知ってるやつに似ていて、本気で漫画にムカついたのは、小学校以来というほどに腹立った。
 いるんだよ、ほんとにいるんだよ、ああいうやつ。
「手伝う」じゃねえ! お前の仕事だ、ふざけんな! っていうのが。

 なんかね、自由業してると、ものすごくレアな生物を見ることが多いんだよ。

「お前は自由を求めてるんじゃない! 会社がお前を規格外だと見なしたんだ!」
「規格外っていうのは、器がでかいんじゃない! 劣化品なんじゃボケエェ!」


 そう言われて「ドキッ」とする人は、間違いなく関係ないから安心して欲しい。あいつら、「オレたちクオリティタカス」と信じて疑わないから。いや、VIP風ならまだマシだ。

 そんなわけで、主人公が他人とは思えなくなり、今にいたる。

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  • 年期の入ったヲタ。漫画中毒。立てばたぬぞう座ればチョコボ、歩く姿はアラレちゃん。
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