ツンデレについて考えた

 最近はツンデレという言葉が広まったせいか、どうも「これは違うんでないかい?」と思えるような性格のキャラが「ツンデレ」と言われているような感じがしていた。wikiによると定義はこうだ。

>意味は、「普段はツンと澄ました態度を取るが、ある条件下では特定の人物に対し
>デレデレといちゃつく」、もしくは「好意を持った人物に対し、デレッとした態度を
>取らないように自らを律し、ツンとした態度で天邪鬼に接する」ような人物、
>またその性格・様子をさす。;

 なんか違う………。
 このブログで取り上げていたのは、そういう人たちではないんだ…… と思っていたところ、私の目を開くような言葉が。

> 83 名前: 青服防衛隊員(たこやき)[sage] 投稿日:2008/04/17(木) 08:12:55.95 ID:5iNugEoi0
> ごめん、詳しくないんだけどツンデレって
> >「みんなの前では高嶺の花っぽい「ツン」とした態度をとっているのに、彼や狙った相手の
> >前では「デレ」っとしたゆる〜い部分も見せる態度をいう。
> テレビとかだとこういう感じで説明されてるけど
> ツンな態度でデレを表現してしまう(exベジータ)見たいなのをいうんじゃないのか?
>(痛いニュースより)

 おい、この83、天才じゃないか? しかもベジータを例に挙げているのが素晴らしい……! 完璧だ! 完全体並みに完璧だ!

 違和感はここにあった。男の方はどうかしらんが、女性読者にとって「デレ」なんて求めていないのである。ツンとデレではなく、ツン=デレ。つまり、ぐりとぐらではなく、ジキルとハイドなのだ!
 自分にとっては「ツンデレ」の原型ともいえる「いたずらなKISS」の入江直樹を、どうしてもツンデレの枠に入れる気になれなくて、謎だったのだが、これで氷解した!

 というわけで、このブログでいう「ツンデレ」は「ツンな態度でデレを表してしまう」キャラを指すこととする。ちなみに、これは「感情を押さえている」のではなく、性格特性である。

 大体、今まで上げていたキャラも優しい場面なんて、あんまりなかった。デレも。優しいベジータなんて原作にあったか? というかデレになってるベジータなんか見たいか? …… あ、いやちょっと見たいかもしれん…… だが、それは「ナイナイナイ!」から見たいのであって、「無い物ねだり」が大前提なのだ。

 思うに、このwikiの定義は「男性側から見たツンデレ」であり、「ツンの果てにはデレ」があって欲しいという願望が根底にあるような気がする。態度だけで言えば、女性にとっては「ツンツン」でいいのだ。その「ツン」が他と違うからこそ、「実は中身はデレ」という味わいが生まれるのである。人目がなければデレになるなんて、それは見栄であり小さなプライドだ。ツンデレは、そのような小さな視点に囚われるような人材であって欲しくない。人目を気にするのは、それはそれで萌えるんだが、それは羞恥心であって欲しい。断じて見栄ではないのだ!

 ツンデレは横暴な猫さまに似ているかもしれない。乱暴でワガママで、気まぐれなのだが、飼い主しか尻尾で叩かないとかね…… 遅く帰ってくると怒るとかね…… 外ではしっかりしていてもウチに帰ればだるだるにデレっとするのは、犬型であろう。

 じゃあ、マッドな態度でデレを表す、すげこまは何だろうと思ったが…… 一番近いものが、すでにあった。8頭身だ……。

イティハーサ/水樹和佳子

イティハーサ (1) イティハーサ (1)
水樹 和佳子 (2000/05)
早川書房

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 もし、あなたがSF好きを自認していて、この本を読んでいないなら、ヘソ噛んで死んでしまえ! というくらい、ここ10年近くの日本SFでは1つ飛び抜けた作品だ。今すぐ、揃えて読め!

 物語は、太古の日本から始まる。2つの神、亞神と威神が存在する土地で、離ればなれになった鷹野ととおこの2人を中心に、神々の戦いに巻き込まれ、やがて神の仕掛けた壮大なプロジェクトの核心に近づいていく姿を描く。
 視点は少女漫画で、鷹野ととおこ(よおこ)が「もう一度会いたい!」という気持ちが原動力のすべてだが、彼らが動く舞台はSFである。日本のSFには、神との戦いをテーマにしたものが多く、これもその系統に入るだろう。

 SFとして読めば、『百億の昼と千億の夜』と対比すると非常に面白い。最後に宇宙が向かうのは静寂か、喧噪なのか? 宇宙に発生した生命は、排除される存在なのか、それとも意味があるのか?
 そういう根元的な問いは、ふだん日常生活の奥に隠されているものだが、『イティハーサ』でもちょうど同じ構造があり、その辺に見慣れたものから真実が見えてくる興奮がある。
 とにかく、これを読まずにSF好きとは絶対に言って欲しくない作品だ。

ライトニング・ブリゲイド/永福一成

ライトニング・ブリゲイド (下) ライトニング・ブリゲイド (下)
永福 一成 (2001/08)
河出書房新社

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 オンラインゲームを楽しむ少年が、ゲームの中で本当に闘うことになり、さらにそのゲームの世界は現実へと侵食を始める…… というSF。ゲームと現実の錯綜というのは、よく使われている手ではあるが、うまく描けていることと、漫画で先駆的というと、やはりコレだろう。
 案外知らない人が多いので、隠れた名作でもある。

 少年が戦いに身を投じ、成長していく姿、友人との軋轢など、成長ものとしてのおもしろさ、ファンタジーやSFの荒唐無稽さを楽しめる上に、SFとしてのストーリー性・構成の完成度も高く、男性には文句なしお勧めできる。初めて読んだときは、随分おもしろい漫画家がいるものだと思った。

 残念なのは、その後、竹熊健太郎原作で書かれた『チャイルド★プラネット』が永福一成のいいところをすべて食い尽くすような駄作だったこと。以降、メジャー誌で見かけないのが、心底残念である。
 だが、『ライトニング・ブリゲイド』のおもしろさには違いがない。読んでいなければ幸いと思うべきだ。まだ楽しめるのだから。
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